出会う確率の方程式
「え?」

跳ね返った光線は、勝利を確信して無防備な体勢になっていた高橋を、射ぬいた。

何が起こったが、理解できないまま…高橋は足元から崩れ落ちた。

そして、前のめりに地面に倒れた。


「!?」

一瞬の出来事で、あたしには何が起こったかわからなかった。

勇気は、振り返り…倒れた高橋を確認した。

「念動力の槍は、破壊力に優れている。だけど…」

勇気は右手を背中に回し、手の平を高橋に向けていた。

手のひらの中には、小さな鏡があった。


「超能力反射鏡」

勇気は右手を握りしめ、

「未来の人間が、対ミュータント用に、軍事目的に作られた…鏡。真正面から来る超能力を吸い込み、跳ね返す。こんなものが、役に立つとはな」

超能力反射鏡を砕いた。
< 165 / 290 >

この作品をシェア

pagetop