出会う確率の方程式
何とか勇気を、橋の下まで移動させることができた。

橋の下は影になっており、街灯の届かない川辺でも、

さらに暗い場所だった。


あたしは、勇気と密着すると、

彼の上着を2人の肩にかけ、

コンクリートの壁にもたれ、座った。


本当は、家に帰らないといけないけど、

勇気をほっておくことはできなかった。


しばらくすると、町子達が目を覚ました。

「高橋くん!」

町子はすぐに倒れている高橋に気づくと、

慌てて駆け寄った。

町子以外の女の子が、携帯で呼んだのだろう。

しばらくすると、土手に救急車がやっと来て、

担架で運ばれる高橋の姿が見えた。

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