出会う確率の方程式
「め、メグ?」

メグは足を止めることなく、橋の下から出ていく。

「メグ!」

あたしが叫ぶと、メグはやっと足を止めた。

だけど、振り向くことなく、

「まだ…時間はあるけど…学校遅れないでね」


それだけ言うと、土手を上がっていた。


「メグ!」

立ち上がって、追いかけようとしたけど、

あたしの肩に寄りかかる勇気の存在を思い出した。

「ううう…」

軽く寝返りをうつ勇気を起こす訳には、いかなかった。

あたしはただ…遠ざかるメグの姿を見送った。
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