出会う確率の方程式
深呼吸した後、

「先生」

「何かな?」

改まった感じのするメグの口調に、ユウヤは笑みを止めた。

少し間をあけてから、メグは口元に微笑をたたえながら、言った。


「あまり寄り道ばかりしていますと、学校に遅れますよ」

その言葉に、ユウヤは片眉を上げ、

「心配してくれて、ありがとう」

と、メグの背中に軽く頭を下げた。

そして、頭を上げた時には、

メグの姿は歩道から消えていた。


ユウヤは舌打ちすると、周囲を確認してから、毒づいた。

「たかが…ミュータントごときが、舐めよって」

ユウヤは前方を睨みながら、歩き出した。

「いくぞ」

すると、川と反対側の草むらから、銃を構えた実習生達が出てきた。

彼らは、ユウヤの後について、歩き出した。
< 177 / 290 >

この作品をシェア

pagetop