出会う確率の方程式
「ここは…?」

勇気は場所を確認するよりも早く、

隣にあたしがいることに驚いた。

思わず飛び上がりかけたけど、あたしが寝ていることに気づくと、

勇気はそっと立ち上がった。

「情けない…」

勇気は拳を握りしめると、力を確認した。

フル回復はしていないが、超能力は使えそうだ。


勇気は、橋の下で壁にもたれ眠るあたしに頭を下げた。

そして、しゃがむと、2人で使っていた上着をあたしにかけ直した。

「こんなはずじゃなかっんだけど」

勇気は、あたしの寝顔を見つめながら 、

「こんな危険な目に、会わすはずもなかったのに」

わなわなと体を振るわせた。

「ごめん」

勇気はまた…頭を下げた。
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