出会う確率の方程式
勇気は、言っていいものか悩んでいた。

本人に気づかれずに、運命を変えるつもりだった。

なのに、こんなことになるなんて。

ミュータントという言葉も、教える訳にはいかなかったのに。

なぜならば、

勇気は、ミュータントの存在を消す為に来たのだから。

彼女の運命を変えることができたならば、

ミュータントという存在は消えるのだから。


だけど、ここまでまき込んでしまったら、

言わない訳にはいかない。

言った上で、納得してもらうしかない。

勇気は、覚悟を決めた。

あたしの顔を見据え、

「ミュータントが初めて、産まれたのは…今から次の年」
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