出会う確率の方程式
勇気の瞳の強さに、あたしは何も言えなくなった。

それほど、勇気の決意は揺るぎなく、意志は固かった。

「ミュータントのみんなも納得してくれている…はずだったけど…」

最後の語尾は、少しだけ声が小さくなった。

今まで迷いのなかった勇気の言葉が、揺らいでいた。

あたしは、そんな勇気に気付いて、少し心配になった。

だからと言って、簡単に言葉をかけられない。



「だけど!」

勇気は、あたしの肩を掴み、

「俺のやることは、変わらない!この二週間、君の出会いを阻止する!」
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