出会う確率の方程式
「ふわあ〜」

教室の自分の席に座ると、あたしは大欠伸をした。

橋の下で、少しは寝たとはいえ…寝不足である。

家には、メグの家に泊まったと連絡はしていたけど、

そのまま学校に来ると、少し後ろめたかった。

「よお!睦美!おはよう!」

妙に元気よく挨拶してきたのは、森山である。

「おはよう…」

あまり元気のないあたしの肩を、森山は叩き、

「朝の元気は、すべてのもとだぞ!」

と言って、笑った。

「おはよう」

森山の後ろから、太田が挨拶した。

「おはよう」

さっきよりは、元気よく挨拶してみた。

「?」

なぜか…太田の目が、あたしを探るように見ているような気がした。

だけど、太田はすぐに笑顔になると、

「朝から元気過ぎるのは、馬鹿の証拠だから、真似しなくていいのよ」

いつもの毒舌キャラに戻った。
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