出会う確率の方程式
「時祭…!そうだ!時祭だ!」

勇気は、興奮気味に叫んだ。

「俺達の記録では、ミュータントの始祖の名字は、時祭のはずだ!なのに、彼女は、竹内だった」

勇気の言葉に、太田は眉を寄せた後、

肩をすくめた。

「どうしてかしらね。私達の時間では、あなた方とこうして、話す機会なんて絶対にないのにね」


それから、少し考えた後、

太田はおもむろに、話し出した。

「あなたの疑問は…なぜ、ミュータントと人が争うかという根源にぶつかるわ。そして、真実は人間側でも一部の者しか知らない」
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