出会う確率の方程式
「それは…」

勇気はもう少しで…答えが導かれそうな感じがした。


考え込む勇気を見て、太田はこめかみに指を当てた。

「そうだったわね。あなた方ミュータントの中では、普通に事実として伝えられていること…。ただ…人間が認めていないこと。禁句となっていること」


「そうか!」

勇気は理解した。

太田は腕を組み直した。



「俺達の歴史は、こう言っている。俺達ミュータントを産んだ女性は、同時にもう1人の子供を産んだ」

「そうよ。それこそが…」

太田は周囲を確認した後、

「私達の世界で、人間の頂点に立つ…時祭家」

歴史の裏側を口にした。
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