出会う確率の方程式
悩む勇気に、太田は背を向けた。

「ミュータントであるあなたに話せるのは、ここまでよ」

屋上から出ていこうとする太田を、

勇気は慌てて止めた。

「待って!君の目的は」




「まったく…」

太田はドアノブに手をかけながら、振り返ることなく話し出した。

「私は監査員…。本当ならば、平等でなければならない。だけど…少し平等でない私への罰として、教えてあげる」

太田はドアノブを握りしめ、

「私は、あなたが未来を変えた後、ある人物を支援し…人類のリーダーにすることを依頼されているの」

太田はゆっくりと、ドアノブを回した。

「その依頼者は、グローバル家よ」


「!?」

勇気は、その名に息を飲んだ。
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