出会う確率の方程式
「ああ…」

勇気はそのまま…崩れ落ち、

頭を抱えた。


「そうなんだ…」

勇気は気づいた。

ミュータントを消したい。

そう思った自分の理由を…。


(俺はあまりに殺し過ぎた自分を…消したかったんだ)



家族を殺された勇気は鬼神の如く、

人間を殺した。

なぜならば、彼らが鬼畜だからだ。

戦士として、1人で人間の街を消し去った時、

炎の中で瓦礫に立ち、歓喜の表情を浮かべていた…勇気は見た。

自分が破壊したビルに下敷きになり、

死んだ人間の家族を…。

そのそばで泣く…男の子を。
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