出会う確率の方程式
「貴様!」

ユウヤは銃口を、あたしに向けて発砲した女に向けた。

「彼女が、死んでいたら!どうするつもりだ!」

顔をひきつらせ、ユウヤは引き金を弾いた。

後ろを向いていた女の後頭部が、破裂した。


即死だった。


「見るな!」

突然横合いから、あたしを押し倒した男が、あたしの目を手でふさいだ。

声だけでわかった。

「勇気くん!」

「何とか…間に合ったよ」

勇気は、あたしを抱き抱えながら、立ち上がった。
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