出会う確率の方程式
「だから、親友として、もうちょっとおしゃれに気を使った方が、彼氏の1人や2人できるかなと思っただけ」

「彼氏なんて…」

ぞろぞろと忙しなく、人々がドアへと向かっていく。

「でも、高橋くんは駄目よ」

メグは笑顔で軽く手を振りながら、人混みの中に消えていった。

あたしも手を振り、メグの後ろ姿を見送った。

すぐに、逆に乗り込んでくる人混みによって見えなくなった。

いつのまにか、

あたしの周りは見知らぬ人々で溢れ返っていた。

少し息を吐くと…静かに電車は動きだし、その揺れを感じながら、

あたしは目を瞑り、眠ることにした。

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