出会う確率の方程式
「僕らには、時間はない。それなのに、君は昨日も何もしなかったしさ」

ユウヤは、引き金に指をかけながら、首を傾げ、

「さっさとここで、やってくれないかな?」

「何」

「それができなければ…君の精子と、彼女の…!!」

ユウヤは、最後まで言えなかった。

勇気の手から発生した風が、ユウヤを後ろに押し戻した。

「下衆な男だ」

勇気は、ユウヤに向かって、顔をしかめた。


「総統!」

三人の実習生が慌てて、ユウヤの背中に手を伸ばした。
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