出会う確率の方程式
「フゥ…」

軽く息を吐くと、勇気はあたしのもとへ戻ってきた。

「俺は、亜流…突然変異のミュータントなんだ。普通、肉体的にはひ弱なミュータントの中で、俺だけが人間を超えた肉体を持つことができたんだ」

勇気はため息をつき、

「だけど…姿は醜いから、あまり発動させないんだけど...」

あたしに微笑んだ。

「君が、俺に…勇気をくれたから…本当の勇気を」

「ゆ、勇気くん!」

あたしは勇気に駆け寄り、抱きついた。


「終わったよ」

勇気は優しく、あたしの頭を撫でた。

「で、でも…メグが!」

安心すると、今度は涙が溢れて来て、悲しみがよみがえった。


「メグが!」

涙はしばらく止まらなかった。
< 248 / 290 >

この作品をシェア

pagetop