出会う確率の方程式
「あははは!」

放課後、急いで渡り廊下に向かったあたしを迎えたのは、

爆笑する勇気だった。

手摺りにもたれ、バックの夕陽に照らされながら、勇気はお腹を抱えていた。

「!?」

あたしは眉を寄せた。

結構…ドキドキして、鼓動をおさえながら来たのに…

あたしの顔を見て、爆笑は何よ。

少し殺意がわいて来たあたしに、

笑い疲れた勇気が言った。

「ご、ごめん……ククク…」

再び笑いそうになった勇気は、口を押さえた。

少し間をあけて、言った。

「病院送りって、ひどいね。か弱い女の子なのにね」

その言葉に、あたしは顔が真っ赤になった。

最初は恥ずかしさ。

やがて怒りに…。

「フン!」

あたしは、勇気にそっぽを向いた。
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