出会う確率の方程式
「おい!遅いわよ。そこの怪しい2人」

美容院の外で待っていた太田が、痺れを切らして、

中を覗き込んだ。

「ごめん!今いく!」

あたしは、感動している森山を置いて、外に出た。


「遅れるわよ」

1人さっさと前を歩く太田の後ろ姿を追いかけながら、あたしは思った。

(愛花は、憶えているのかな?)


あの日、記憶を消すと言って…体育館裏から消えた太田。

彼女な、未来の記憶が残っているのか…。

きくのも変だ。


だから、あたしは未来の件には触れることはなかった。




「おい!待てよ!」

美容院から、慌てて森山が飛び出してきた。
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