出会う確率の方程式
いつも…あなたは、いきなり。


勇気の超能力で、あたしは空を飛んでいた。

勇気が差し伸べた手を掴むと、

あたし達は雲の中で、回転した。

もう重力なんて、関係ない。


「今まで、どこにいたのよ!」

二年前までは、こまめに訪れた場所の映像を、

あたしの頭に送ってきていた。

だけど、二年前からは、思念は感じられるけど、

映像が送られることはなかった。

「ごめん、ごめん。少し遠くにいたから。それに、何もないところでさ…送る映像もなかったんだ」

「それでも!」

あたしが何か言おうとしたら、勇気は唇でふさいだ。
< 271 / 290 >

この作品をシェア

pagetop