出会う確率の方程式
「未来から!?」

驚くあたしに、勇気は頷いた。

「人間や動物は、リスクが高いけど…無機質なものは、時の流れに逆らっても、大丈夫なんだよ。だから、たまに遺跡から、オーパーツ…その地層からあり得ないものが見つかるだろ?」

勇気は、あたしを抱きながら、一回転した。


星が、目の中で回る。


「でもさ!睦美!」

勇気は、あたしを少し離すと、顔を覗き込み、

「俺が、何かをやるたびに!未来が変わっていくんだよ!」

興奮気味に言った。

「出来上がった部屋を見てさ。どこかで、見たことあると思ったら!ミュータント博物館で見たんだと思い出した。だけど!」

勇気は満面の笑顔になり、

「よく考えたら、そんなのなかったのに…学校の遠足で見たと記憶があるんだよ。つまり、未来で生まれた俺が、そこに行ってるんだよ!今の俺が、つくった部屋を見てるのさ」
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