出会う確率の方程式
「じゃあ、いってくるよ」

勇気が、月から過去の地球へとタイムトラベルする日。

時の粒子の速さを変える装置のあるドッグには、数多くの人で溢れていた。。


「心配しないで。彼女は、俺が守るから」

心配そうな人々に、力強く頷いた勇気に、

ただ1人だけが毒づいた。


「あんたなんか!過去で死んだら、いいのよ!」


(ええ!)

周りにいるミュータント達は、その言葉に凍りついた。

なぜならば、それを言ったのが、勇気の幼なじみであるメグだったからだ。

「い〜いだあ!」

勇気に向かって、舌を出すメグ。

「…」

普段なら言い返す勇気が、顔を附せ…何も言わない。

しーんと静まりかえるタイムトラベル用のドッグ。

そんな中、1人の女が静寂を止めた。
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