出会う確率の方程式
メグの言葉は続く。

「それじゃあ何かしら?誰かさんは男をあさり…じゃなかった。男いじめに来てらっしゃるのかしら?まあ…美人でいらっしゃいますから、ご不自由はしていないと思いますけど…。あたしの目の前で、授業中にしないでくれますか!」

口調は妙に丁寧ながら、血走った目を向けて、メグはゆっくりと町子に近づいて行く。

「なんですって!」

ヒステリックな声を上げた町子を、からかうようにメグが見つめる。

接近した二人が、睨み合う。

「メグ!」

仕方なく、あたしは立ち上がり、膠着状況に陥った2人の間に割って入った。

「落ち着いて、メグ」

「睦美!邪魔よ!どきな」

さらに何か言おうとするメグの口を強引にふさぎ、羽交い締めにしながら、席へと戻っていく。

怒りでわなわなと震えている町子の目が、あまりにもどす黒かったのがちょっと気にかかったけど、今はそれどころじゃない。
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