出会う確率の方程式
「し、知りたいでしょ!その気持ちわかるわ〜あ!いいわ!教えてあげる。あなただけに、と・く・べ・つ・に」

と言うと、あたしの腕を取り教室を出ると、廊下の隅の方に連れていく。

「他の女に知られると、嫉妬されるからさ」

誰か聞いているやつはいないかと、辺りを伺った後、あたしに思い切り抱きついてきた。

「あのねえ、睦美!聞いてよ!あたし、高橋くんに今日!いっしょに帰ろって!は、話があるんだって!」

メグはあたしをぎゅっと抱き締め、

「誘われちゃったあ!」

「さ、誘われたあ!」

思わず声をあらげたあたしの口を、メグは慌てて塞ぎ、

「あんた、声がでかいんだよ」

あたしはメグの手を外すと、

「誘われたって、どういうことよ?」

「それにねえ〜」

突然、ぼおっとメグは顔を赤めながら、少しふらつきだした。
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