出会う確率の方程式
きょうちゃん…森山の名前は、京子だった。

そうそう太田は、学年でもトップクラスの優等生だ。

「あ、あんた!あたしだけ、バカっていいたいのか!ああ、嫌だ!嫌だ!これだから、頭のいいやつは!」

ケッと吐き捨てるように言う森山を完全無視して、太田があたしに微笑みかけた。

「竹内さん。ここは図書館ですので、他の人達に迷惑になりそうですから、足腰筋肉バカはほっておいて、優等生同士。奥で、勉強でもしませんか?」

にこにこしながらも、どこか刺がある太田は、あたしの腕を取ると、強引に席から立たそうとする。

その力の強さと表情のギャップに、あたしはやっと…この2人が親友である意味を理解した。

「あっ!て、てめえ!竹内さんを、どこに連れていくつもりだ!」

「あなたと離れたところよ」

太田は冷たい視線を、森山に向けた。
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