出会う確率の方程式
「ごめんなさいね。竹内さん…。今日は、邪魔して」

「別にいいよ。あたしも不得意な社会を教えてもらったし…すごく楽しかったし」

「そう言って貰ってよかった。あまり教室でも話したことないのに、図々しいとは思ったんだけど」

「そうなんだよ!いつも話しかけようと思ってたんだけど…」

話に、森山は入ってきた。彼女は、顔をしかめ、

「あの馬鹿が、いつも!竹内さんのそばに、あの馬鹿がいたから」

三人は、校門を通りすぎ、駅を目指していた。

森山は、道端の石を軽く蹴った。

「あの馬鹿って…」

1人しかいない。

「相沢恵美!」

吐き捨てるように言うと、さらに蹴った石目掛けて、走り出した。

「ごめんなさい。あの子…相沢さんのこと嫌いなの」

「メグのことが?」

石は森山に蹴られて、さらに遠く飛んでいった。

「あの女、うるさいんだよ!いつもいつもグラウンドで、サッカー部の練習見ながら、きゃきゃっとはしゃぎやがって!おれはさあ!男の尻を追いかけてる女が、大嫌いなんだよ!」
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