出会う確率の方程式
「どうしたの?」

メグ達が消えた後も、表情が強ばっている勇気に、あたしは声をかけた。

話のこしがおられたけど、勇気の続きを聞かなければならない。

勇気は、あたしの声に反応すると、表情を緩めて、いつものように微笑んだ。

だけど、それはいつもより悲しい笑顔だった。

「ごめん…」

そう言うと、勇気の姿が消えた。

文字通り、目の前から消えたのだ。


「え!」

驚き、あたしは周囲を見回したが、

勇気の姿はない。

「き、消えた?」

またもやの信じられない出来事に、再びパニックになりかけていると、


「さようなら」

また後ろから、声をかけられた。

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