出会う確率の方程式
「彼は、どこにいったのよ」

改めて、キョロキョロと周りを探したけど、

やっぱりいない。


先程の弾が、背中から飛び出たことといい、

目の前で起こったことながら、

あたしには信じられなかった。


「ま、まさか…本当に消えた…とか」


その時、頭の中に浮かんだ単語に、

あたしは思い切り首を横に振った。


「あり得ないって!」

だけど、その時のあたしはまだ知らなかった。

あり得ないことなんて…ないということを。
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