桃色ドクター
シャワーを浴びた私は、とりあえず雅也と別れる準備をした。
女ってのは、一度決意すると恐ろしいくらいに素早いものだ。
着々と準備を進めて、すぐに出て行ける体になってから、切り出す。
まぁ、本心は・・・
このマンションは私が住み続けるつもりだけど。
出て行くのは雅也の方。
保証金も私が払ったし、家具も私が買ったものが多い。
雅也はまた誰かの部屋に転がりこめばいい。
バレンタインの夜に、女の家へ泊まりに行くような男に未練はない。
バレンタインのチョコを他の男に渡す女も最低だけど。