桃色ドクター
男に甘えることが苦手な私が、唯一甘えられるのは瀬名先生。
だから、甘えさせて。
早く・・・・・・迎えに来て。
いつの間にか、居酒屋のカウンターて眠ってしまったらしい。
頭が痛くて目覚めると、見慣れない天井が見えた。
恵理の家だと理解するまでに数分かかった。
「恵理が運んでくれたの?」
私は、恵理の細い体のどこにそんな力があるんだろうと驚いた。
「先輩、ごめんなさい。雅也さんが運んでくれたんだ」
「えーーーーー!!」
私が居酒屋で眠ってしまい、どうしようかと悩んでいると、また雅也から私に電話がかかってきたらしい。
私が寝ていることを話すと、雅也は私を運びに店まで来た。
「雅也さんって、本当に先輩のこと好きなんですね。ちょっとかわいそうになっちゃいました」
「顔が好みだからって同情しちゃだめだよ。もう雅也とは終わったの!」
恵理にそう言いながら、自分にも言い聞かせていた。