桃色ドクター
『先輩・・・私、ショックです』
泣きながら電話をかけてきた恵理。
会社が終わって、恵理の家に行った。
恵理は、沈んだ表情のまま私に紙を渡した。
「これ・・・・・・渡されたんです。瀬名先生って、そういう人なんじゃないですか!」
その紙には、携帯番号とメールアドレスが書かれていた。
私は瀬名先生のメールアドレスすら知らないことに、今気付いた。
「どういうこと?」
状況が理解できない私は、その紙を人差し指と中指で挟んで、目の前で揺らした。