桃色ドクター
「今日、焼き鳥行くよ!」
最近は私から誘うことが少なかった。
恵理が入社した頃は、毎晩のようにこうして無理矢理連れ出していたっけな。
新入社員と接する時間が増えると、恵理と話したくなる。
瀬名先生のことで、恵理を失うのは嫌だ。
気が合う後輩だし、今では会社だけの付き合いじゃない。
人間関係が面倒で、友達はそんなに多くない。
気を遣う相手とは飲みたくない。
「やっぱ、恵理がいないと寂しいよ」
私は芋焼酎の入ったグラスの中の氷を指でツンと突っついた。
「香織先輩・・・・・・ 私も、今の部署は正直キツイです」
恵理は、梅酒のソーダ割りを一気に飲んだ。
相当ストレスがたまっているらしい。