桃色ドクター
「雅也さんとより戻さないんですか」
恵理は、雅也ネタが好きだ。
もしかして、今回の嘘に、雅也も関わっているのだろうか。
「雅也は、好き勝手に楽しんでるよ。戻ることはないって」
「そんなことないです!!」
私の肩に乗せていた頭を持ち上げた恵理は、私の腕を掴み、強い口調で言った。
「何ムキになってんの?」
「ごめんなさい・・・・・・ 雅也さん、まだ香織先輩のこと忘れてないですよ」
恵理と雅也の接点は私。
私を通じてふたりは繋がっていただけ。
「もしかして、連絡取り合ってんの?」
恵理はやっぱり嘘がヘタ。
騙された瀬名先生は、よっぽど純粋なんだな。
まさか!!と言いながら、恵理は気まずそうに私に背を向けた。