桃色ドクター
「別に怒ってないよ。ちょっと辛かったけど、今では感謝してる。恵理のおかげで、瀬名先生への気持ちを整理することができたのかも知れない」
嘘じゃない。
燃え上がってる恋心は、自分でもなかなか見えにくい。
恵理のおかげで、燃えていた気持ちが落ち着いて、客観的に見ることができた。
そして、それでもやっぱり瀬名先生じゃなきゃだめだって思えたんだ。
他に隠してることはないかと尋ねると、恵理はポロポロと話し出した。
瀬名先生の口からは聞けなかった真実。
「瀬名先生、必死だったんです。嘘だろって私に何度も確かめた。最後に話がしたいから、明日病院に来て欲しいって伝えてくれって・・・・・・」
確か、恵理が病院に行ったのはホワイトデーの前日だった。
瀬名先生、ホワイトデーの日・・・・・・
ちゃんと会うつもりでいてくれたんだ。