桃色ドクター



うわぁ!


顔、近っ!!




しかも、寒気がするほどの爽やかな顔で笑う。



決して大きくはない目だけど、瞳がキラキラと輝いている。


笑うと垂れ目になる瀬名先生は、その笑顔で一体どれだけの女を泣かせてきたのだろう。





やっぱり、目を閉じていよう。



こういう完璧な男は好きじゃない。




白衣を脱ぐと別人のように変わってしまうに違いない。





私はいつの間にこんなにひねくれた性格になったんだろう。




男は金でもないし、職業でもないし、外見でもない。



全て持っているこの先生は私の敵だ…なんて考えてしまう自分に同情する。




だからと言って、雅也のように給料の半分をパチンコに使ってしまうような男が良いわけじゃない。




私の求めるような男は、どこにもいないんだ。



と、いうか私はどんな男を求めているのかさえわからない。




男好きなようで、男嫌い。


男性不信。




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