桃色ドクター
第13章~まさかのご対面~
「水着買いましょうよ~」
「もうビキニを着る年齢じゃないよね~」
私と恵理の関係は、元通りに戻った。
季節はもう夏。
桜の花の舞う春を過ぎ、私も恵理も少しだけ大人になった。
私は、寂しくなると瀬名整形外科に足を運んだ。
仁ノ介の秘密の診療を受け、元気を取り戻す。
あ、そうそう。
いつの間にか、私は瀬名先生を「仁ノ介」と名前で呼ぶようになっていた。
約束通りまだエッチはしていない。
ってことは、まだ恋人同士にはなっていないわけで……
婚約は解消できたのだけど、やっぱりスッキリしなくて、相手の女性は今でも結婚を望んでいる。
私は仁ノ介のご両親にも紹介され、正式に彼女と認められたのだけど、仁ノ介は元婚約者の女性との関係が切れるまでは私を抱こうとはしない。
恋人なようで、まだ恋人でない関係。