桃色ドクター
平凡な家庭で育って、平凡なOLをしている私。
裕福な家庭で育ち、芸術的才能がある由美子さん。
仁ノ介の彼女になりたくて仕方がなかったのに、どうしても比べてしまう。
自分のどこが由美子さんより優れているんだろう。
仁ノ介は、私のどこが好きなんだろう。
修羅場を乗り切った時のハイテンションはどこかへ消えていた。
リビングの窓から中の様子を想像する。
仁ノ介、これでいいの?
長く感じる。
時計を見ると、まだ5分も経っていないのに。
仁ノ介が私の元に戻ってきたのは、15分後だった。
この15分で私は少し痩せただろう。
疲れた。