桃色ドクター
「今日は、ただ隣で眠りたい。仁ノ介にゆっくり疲れを取ってほしい」
由美子さんの両親からもきっとひどいことを言われたと思う。
仕事のストレスは私にはわからないけれど、想像以上に大変なんだと思うし。
「仁ノ介が心配……」
「今日の香織、いつもと違うな。かわいい」
私を片手で抱きしめながら、片手で缶を開ける。
ただそれだけでもかっこよくて、驚くほど惚れ直してしまう。
一口コーヒーを口に含んだ仁ノ介は、またキスをする。
「コーヒーの味……」
私はキスをしながらも、仁ノ介の部屋のあちらこちらを見ていた。
ここが仁ノ介の部屋。
ここで毎日仁ノ介が生活しているんだ。
「シャワー浴びてこいよ。疲れただろ?先にどうぞ」
急に紳士になる仁ノ介。
優しく微笑んで、私の手を取り、お風呂場へと案内する。