桃色ドクター
どうにかこうにかメイクを落とした私は、強めのシャワーを顔に当てながら今日の出来事を振り返っていた。
しかし、修羅場だったなぁ……
由美子さんも受付嬢も、現実離れしたセリフを連発していた。
あんなセリフ、生で聞けるなんて。
でも、仁ノ介って争いごとを穏やかに決着させる力がある気がする。
もし仁ノ介以外の男だったら、あんな風にならなかっただろう。
場違いなセリフも実は計算だったりして。
ますます惚れちゃったな、私。
ガチャ
ん?
ガチャ?
何の音?
「ひゃあ!!!」
シャワーのお湯から顔を離し、目を開けるとそこには素っ裸の仁ノ介が立っていた。