桃色ドクター
「俺、もう我慢できないな。俺のこと心配してくれているなら、今夜抱かせてくれ」
キザなセリフには慣れたつもりだったけど、やっぱり無理!!
平気な顔でこんなこと言えちゃう仁ノ介ってやっぱり普通じゃない。
返事をする前に、仁ノ介は私をヒョイっと持ち上げた。
シャワーを止め、お風呂場から出た仁ノ介は私をベッドへ運ぶ。
「ちょ、ちょっと~せっかくお風呂沸かしたのに」
「終わってからゆっくろ入ろうね、香織ちゃん」
うぅ。
完璧な計画。
瀬名仁ノ介、恐るべし。
「では、俺と香織が正式に恋人になれた記念に……」
始まりの一言なんて、普通はないよ!!
これって、毎回あるのかな、なんて考えながら……
仁ノ介に身を任せる。
知らない間に、アロマキャンドルに灯がともっていた。
ラベンダーの香り、好きなんだよね。