桃色ドクター
第15章~修羅場再び~
仁ノ介と初めての朝を迎えた私。
幸せすぎて、顔がニヤけたまま。
朝の仁ノ介も夜の仁ノ介も全部全部愛してる。
できれば、一日中くっついていたいと思ってしまう。
私らしくもない。
「行ってきます。はい、キスして」
玄関先で、目を閉じてキスを待つ仁ノ介。
「行ってらっしゃい」
そっとキスをする。
首の後ろに手を回されて、朝らしくない激しいキスの嵐。
「じゃ、行ってきます。戸締りよろしく。また電話するから」
ドキドキしている私を残し、仁ノ介はエレベーターに乗る。
今日は8時からの診察の日。
まだ6時半だというのに、仁ノ介は病院へ行く。
真面目なドクター。
でも、裏の顔は……
ふふふ。
私だけが知っている仁ノ介。
合鍵をもらった。
いつでも来ていいと言われた。
良かったら、毎日ここへ帰っておいでと言われた。
嬉しいけど……
浮かれちゃいけない。
同棲は、雅也で懲りた。
私には私の生活がある。
ちゃんと家もあるんだし。