桃色ドクター
翌日、私はタクシーに乗って、瀬名整形外科へ向かう。
今日も雅也は送ってくれなかった。
待合室で私の誤解が解ける。
隣に座ったおばあさん2人が、瀬名先生の話をしていた。
昨日の夜、瀬名先生に電話しちゃったのよ…なんて。
なんだ…
あいつ、誰にでもケータイ番号教えてるんだ。
がっかりしている自分が悔しい。
だけど、ホッとしていた。
良かった。
彼は、医者として私にケータイ番号を教えただけだった。
変な期待を持つ前に知って良かった事実。