桃色ドクター
第5章~秘密のデート~
だめだってわかってるのに、
これ以上好きにならないって決めたのに・・・
私が向かった先は、チョコレート売り場だった。
バレンタインを忘れていたわけじゃないけど、雅也にはバレンタインのチョコをあげるつもりはなかった。
最近の雅也の行動を見ていると、きっとバレンタインの夜も帰っては来ない。
本当にただの同居人じゃん、私達。
手作りをする若さでもない。
久しぶりにバレンタインのチョコを買う楽しみを味わった。
女子高生が、キャッキャッ言いながら、チョコを選んでいる横で澄ました顔してチョコを手に取る。
心の中はピンク色。
それを隠して、冷めた顔してチョコを買う。