桃色ドクター



「今日は珍しく車じゃなかったんだ。車だったら会えなかったね」



「そうなんですか?偶然ですね」




恋は、たくさんの偶然から生まれる。



偶然会ってしまったことが、これから私の恋をどんどん燃え上がらせてしまうことはもうわかり切っている。



知れば知るほど好きになる人だってことはわかってるから。




「あまり強くはないけど、お酒飲もうか。電車だから今日は俺も飲めるから」




慣れた手つきで、店員さんを呼び、おすすめのワインを聞いていた。





私がワイン好きだってこと、知ってるの?




ねぇ、女心をくすぐりまくる悪い男、瀬名仁ノ介。



どこでそんな技を覚えたの?



やっぱりあなたは危険な人なんですか?





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