桃色ドクター
本当に私を愛しているのか本気でわからない時がある。
愛しているなら、別の方法があるだろ!って突っ込みたくなる出来事が山ほどあって、呆れるくらいにいいかげんで・・・でも、面白い奴。
彼氏がいるということが、今の私にとって重要なだけなのかも知れない。
親や親戚や、友達からの「もうすぐ30歳だよ」的な発言を、うまく交わすには彼氏の存在が必要不可欠。
雅也に渡された携帯電話で、私は会社に電話をかける。
「すみません…ぎっくり腰やっちゃいました」
私が休んだからと言って、会社は何も困らない。
誰にも必要とされていないんじゃないか…という不安を消してくれるのは、雅也のキスだけだった。
やっぱり、別れるなんてできない。
でも、結婚もできない。
私は、携帯電話で病院を検索した。
迎えに来てくれるような病院は…
あるわけないか。
家の近所の整形外科に電話をかけまくっているうちに、携帯の充電が残り1になった。
やばい。
充電器は、リビングのTVの横。
この体じゃ歩けるわけない…
残り1の充電を気にしつつ、「瀬名整形外科」という少しここから離れた病院へ電話をかけた。