アンダンテ



…そうだよ。そのはずなんだよ…。
課題終わらせて駅に向かう帰り道、見覚えのある黒塗りの車が止まっているのを見て、あたしは顔をしかめた。
『…千尋、乗ってけよ』
…佐野三月(サノミツキ)。
きっと、大学生で外車から顔を出す、こいつは異常なんだと自分に言い聞かせながら。


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