消えるよ
「お母さん。あのさ。」
僕は、緊張してカラカラの口を動かした。

「なに?生理か?
男だから生理はないよね。」
酔いがまわった母さんは、訳の分からぬ事を言う。

「学校の合宿あるんだけど。
行っても良い?」

母さんは、少し僕の顔を見てから、
「行きなよ。
いくらかかるの?」
と言った。

「金はいらないみたいだよ。
んじゃ明後日から3日いないけど、大丈夫?
心配して学校に電話とか嫌だよ。」
なかなか、嘘つきの才能が僕には有るらしいと思うくらいに、言葉がでてきた。
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