幸せでした・・・
「先生・・・冗談やめてよ!!おもしろくないよ!!いまどきありえないって!」


「・・・冗談じゃないよ・・・。」


あたしの中のなにかが壊れた。


「嘘だよね??ありえないよ!!!だってこんなに元気なんだよ!!!なのに・・・先生・・・

嘘だと言って!!!嘘でしたって言ってよ!!!!あたしには・・・。」


先生は黙ってた・・・・。


どのくらいあたしたちは黙ってたんだろう。


しばらくすると黙ってた先生がしゃべりだした。


「・・・舞ちゃん遅らせる方法はあるよ・・・。」


「え!?なんですか!!!なんでもいいから教えてください!!!」


「・・・抗癌剤を使うんだ・・・。でもそれは強すぎるから・・・髪の毛が抜けてしまうん

だ・・・。」


「え・・・。」


「舞ちゃんは自分の髪の毛がなくなってもいいから生きたい?それとも今の姿でこのままで残さ

れた時間を大切に過ごす・・・どっちにする?」


「・・・・あたしは・・・・もっと生きたいです。でも髪の毛が無くなっては・・・大切な3人

には見せられません・・・。だからあたしは残り少ないときは生きたいです。」


もう迷いなんてない。


でもね・・・あたしには現実があまりにもつらくて・・・ついてけなかった・・・・。


ううん・・・ついていきたくなかった。


こんな酷い今。


神様・・・どうしてあたしが・・・。
< 57 / 116 >

この作品をシェア

pagetop