シークレット
プロローグ
高2の夏、
バイトの帰り道。
いかにもホストって感じの人が
私に話しかけた。
「君、ホストクラブに来ない?」
私はこいつに見覚えがあった。
同じクラスの相馬梓。
学校でも有名なヤンキー。
「聞いてる?」
アイツが私にキレぎみにいう。
「はい…」
そして、
今頃になって
私を思い出したらしく、
恐る恐る聞いてくれる。
「てか、あんた同じ学校?」
「同じクラスの関口雫です」
「同じクラスかよ!!やっば!」
そういうと私を壁へ押し付けた。
「俺、歳ごまかして働いてるんだ」
「はぁ…」
「だから、言うなよ」
そう言って
私の口に人差し指を乗せた。
これが梓と接するきっかけだった。