シークレット



近寄ると
段ボールに一匹の白い子猫が入っていた。


子猫を優しく持つと
段ボールに手紙が入っていた。



“この子を拾ってあげてください”


そう一言書かれていた。

少ない字のせいで
上下に大きく空白が出来ている。




「……ごめんね‥。
 私の家お父さん猫嫌いで飼えないんだ」

〈にゃーー〉




子猫は小さいのに
自分を捨てた人間を恨んでいるようだった。

でも、
私は何も出来なくて
渋々段ボールに戻した。




段ボールの中から
子猫が必死に誰かを呼ぶ。


居場所を見つけている。


             
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