シークレット


「‥うん」

家へ向かう帰り道に
梓ははぐれないように
私の手を強く握っていてくれた。



こういう時、
男の人に優しくしてもらうと
女の子はすぐに恋に落ちちゃうんだよね…


もう、
今までのままじゃいれないかも…





「ただいま…」


「雫びしょびしょじゃない!?
 前もそれで熱出したんじゃない」




呆れたように
お母さんは部屋から
タオルを持ってきて私の肩に載せた。



「くしゅんっ!」


寒い…

「ほら、やっぱり風邪引いたんじゃない。
 今日は薬飲んで早く寝なさい」



             
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